クリニックブログ BLOG
24.07.06
岩崎歯科医院
院長の芳金信太郎です。
今回はマイクロスコープを用いた精密根管治療について1つの症例を交えてブログを書きたいと思います。
患者さんは50歳代女性です。左上の歯茎が大きく腫れてきたというのが主訴でした。
実際の写真です。内側の歯茎は非常に厚くなっていますが、そこの歯肉が赤く大きく腫れ上がっています。
ひとまずは、抗生剤にて急性症状を抑えて、大きく腫れていたところは少し縮小したところで根管治療へと移行しました。
ここまで大きく腫れているとなると、骨の吸収も著しく進んでいることも多々ありますが、今回はCTで確認したところ、比較的骨の吸収は少ないようで安心しました。骨の吸収が少ないと勝算の見込みが高くなります。
まずは過去に治療された詰め物を外し、う蝕検知液を用いて歯冠部分の感染源をしっかり取っていきます。
実はここがすごく重要で根管内より細菌数は詰め物を外したエリアの方が多いため、まずは徹底的に入口をキレイにする必要があります。すぐに根管内に器具を入れてはいけません。
感染源の除去が終わったら、隔壁と言って歯の周囲が360度覆われるように壁を作っていきます。
そこからラバーダムにて歯を隔離していよいよ根管治療のスタートです。
ちなみに、根管治療は本当に小さい領域の治療です。マイクロスコープなしの治療は不安でしかないです。
そして非常に多くの時間とたくさんの機材、材料を用います。今回は歯の内部から出血が一才ありませんでした。これは神経が壊死していることを意味します。全ての根管の神経は壊死を起こしておりました。
特に大臼歯は根管数も3〜4根管で形態もかなり複雑です。その中でも近心頬側根と呼ばれる根管にはMB1、そしてMB2と呼ばれる2つの管が存在しており、MB2なんかはかなり隠れて存在しているため見つけることが困難な根管でもあります。しかしほとんど確率でM B2は存在しているため、ここを見逃されていることが多いので大体この根が数年後に再治療になることが大多数です。ここをしっかり仕上げれるかが上顎第1大臼歯の肝です。
事前のCTで根管を診断してマイクロスコープとニッケルチタンファイル、そして極細のファイルで根管形成を行います。
洗浄液には5%濃度の次亜塩素酸にて消毒をしっかり行います。
徐々に根管拡大が済んでいくとキレイな「顔」をした形態になってきます。
1〜2回の治療が済むと徐々に歯茎の腫れもなくなり、歯肉は引き締まってきます。
今回はMB1とP根にMTAセメント、根管の細かったD根、MB2にMTAシーラーとガッタパーチャポイントにて根管充填を行っております。
その後にグラスファイバーとレジンにてコアを形成します。この時もほとんど歯は削らないようにします。
そして歯の形をマイクロスコープ下にて形成します。
仮歯を経て最後にジルコニアクラウンにて完成です。
根管治療がしっかりなされていると感染もあっという間になくなり、痛みの消退、歯肉、歯槽骨の改善へとつながります。
天然歯に勝るものはありません。
できるだけ歯を抜かないように、もっというとできるだけ神経も抜かないように保護したりしております。
根管治療もしっかり丁寧に行っております。(一部自由診療)
インプラント治療は、従来の入れ歯やブリッジとは違い、天然歯のように美しくしっかりと噛める歯を取り戻す治療法です。
失った歯の代わりに人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を装着します。健康な歯を削ることはありません。
審美歯科治療とは、天然歯のように自然で美しい口元を作ることを目的とした治療です。しかしながら、見た目の美しさの回復は、歯や歯茎の健康はもちろん、咬み合わせなどの正常な機能を持続させることにも貢献しています。主な治療として、歯を削らないホワイトニング、セラミッククラウン・インレーによる修復治療と、表面だけを削るラミネートベニヤなどがあります。様々な目的・処置方法がございますので、審美歯科治療にかかる治療費は、治療法により大きく異なります。失った歯の代わりに人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を装着します。健康な歯を削ることはありません。