クリニックブログ BLOG
18.09.13
本日は少し前に治療が一段落された70歳代の患者様の報告をさせていただきます。(許可をいただいております)
こちらが最初のレントゲンになります。
上顎、下顎には大きな入れ歯を入れらておりました。入れ歯を外した写真です。
しっかり食事が出来るように、インプラント治療をすることを
決意されました。
やはりインプラント治療で不安なのは、痛くないの?です。
今回の全ての治療で、痛みはほとんどなかったとのことで、いろいろな治療の提案を受け入れていただきました。
インプラント治療は、骨の中にチタン製のネジを埋める処置ですが、大事なのは、適切なポジションに安全に埋めることです。
岩崎歯科医院ではほぼ全ての症例でガイドサージェリー(安全にインプラントを入れる装置を用いた処置)を行っております。
まずは、下顎にインプラントを埋入しました。
より、インプラントを長持ちさせるために、インプラント周囲の歯肉も角化歯肉を移植し強くしております。
入れ歯からインプラントの歯に変わると、取り外しもなく、大きな入れ歯を入れることもなく、しっかり咬むことが出来るようになってきます。
上顎は骨が薄く、今回は左顎には上顎洞挙上術(サイナスリフト)を同時に行っています。
前歯にはジルコニアという材料を用いた被せ物を行いました。ジルコニアは強度がとても強く割れにくく、そして汚れがつきにくいです。インプラントにも用いる材料です。
今後はしっかりとこの被せ物やインプラント、そして一番大事な天然歯をしっかり保存できるように定期的にメンテナンスさせていただければと思います。
インプラント治療をされた患者様には今まで入れ歯では食べれなかった物がしっかり噛みしめることができるようになったり、食事が楽しくなると言っていただいております。
少しでも、皆様の笑顔の為に貢献できれば幸いです。
歯科医師
芳金信太郎
18.09.07
歯科医師の芳金信太郎です。
8月25、26日と博多にてマイクロエンドコースを受講してきました。
エンドとはエンドドンティックス(endodontics)の略で歯内療法という意味です。
講師の松浦先生はエンドの専門医としてご活躍されており、私は2年ほど前から講義を受けさせていただいておりましたが今回の4月から博多にて各月で行われるマイクロエンドハンズオンコースはもとても、とても実りあるものとなりました!
今回(最終回)は外科的歯内療法の回でした。歯の根の治療だけでは感染が取りきれず、臨床的症状が改善されない場合に外科的歯内療法が必要になります。
なぜ、歯の根の治療だけで感染が取れないかというと
このように、歯の根の中の構造はとても複雑なのです。この中を全て綺麗にするという事は実際には不可能です。
Moe 2018年の報告で全ての部位に器具をあてる事はできないと言われています。
赤がuntouched areas;器具が触れてない感染の残っている場所
どう頑張っても全て綺麗にする事は難しいです。特に、上の画像の様に根の先端は複雑な構造をしているので、症状の改善が得られないときはここの部分を外科的に除去する必要が出てきます。
Setzer 2010によるとTraditional Apico ;伝統的な外科的歯内療法:ルーペや以前までの器具、薬では成功率は59%。
しかし、顕微鏡(マイクロスコープ)や超音波器具、MTAセメントなど器具、機材の発展によって成功率は94%まで向上しました。
顕微鏡を見ながら、歯を用いて実習していきます。
根の先端部を顕微鏡で確認しながら、汚れを除去して、MTAセメントで封鎖します。
できる事であれば、早期発見で「非」外科的歯内療法のみで、根の病変を解決できるようラバーダムや顕微鏡、超音波、薬液等を用いて細かいところの感染や汚れなどを除去していきます。
初期の治療をきちんとすれば切開や根の先端を切除する(外科的歯内療法)といったところまでせずに治癒できる可能性は高くなります。
可能な限り天然歯を保存できる様、最善、最先端の歯科医学を研鑽していきます。
岩崎歯科医院 歯科医師 芳金信太郎
18.08.08
歯科医師の芳金信太郎です。
先週の土日にClub GPのグローバルプログラムの勉強会に参加してきました。
この勉強会は1年半のコースになっており、毎月スペシャリストから講義を受け、実習hands-onをするというものです。
咬合治療、歯周治療、歯内治療、インプラント治療、審美治療等々をマイクロスコープ;顕微鏡を通してより精度の高いものを目指すスティーグループです。
今回が最後の回になります。最終回の土曜日は海外から有名な先生Dr.Pascal Magne(パスカル・マニエ)をお招きし、審美治療の講義を
受けてきました。
日曜日は、受講生の症例発表にて、このコースを締めくくるという流れでした。
ちなみに、GPとは一般開業医というような意味合いがあります。海外では医科のように歯科も、補綴科、歯周病科、歯内療法科など各専門分野に分かれていたりします。
日本では矯正はよく見かけますが、他はあまり分かれておらず歯科医は全部の治療をこなすのが一般的になっているでしょう。
私は、少しでも質の高い最善の治療をトータルでできるようになるように、それぞれの専門家に学ぶようにしています。
そのため、ほぼ土日は勉強会で不在にすることが多いです。
岩崎歯科医院でも世界基準の治療が少しでも患者様に提供できますよう、日々努力と研鑽を続けております。
歯科医師 芳金信太郎
18.07.29
先日、ある60歳代、女性の患者様の治療が終了致しました。患者様には公開の許可をいただきましたのでここで報告させていただきます。
術前の状態です。画面右下(お口の中でいうと左下)の歯が欠損しておりました。と同時に画面左下の歯も歯が割れてきていました。
原因は左下奥歯がなくなりお口の右で噛むことが主になり奥歯の負担が増加して、かつ前歯の先端と先端がぶつかるような噛み合わせ(切端咬合;不正咬合の一つ)もそれを助長していました。
理想的には上の前歯は2〜3mmほど下の前歯を覆います。それによって顎を前方に動かすときに前歯同士が当たり、その時に奥歯(臼歯)が離開することが望ましいです。
治療のスタートとして、まずは奥歯にインプラントを入れさせていただきました。
インプラントを入れて3ヶ月経つと顎の骨とインプラントがくっついてきます(オッセオインテグレーション)。
下の前歯も歯の並びがデコボコ(叢生)しており、上の前歯にも負荷がかかるため、部分矯正(MTM)を行いました。
前歯の根に感染がありましたので、根管治療を行なっています。
徐々に根の先端の黒い影は消えてきています。骨になってきるということです。
いくら被せるセラミックが綺麗でもそれを支えている歯そのものが弱っていては使い物になりません。
しっかりと根の中を綺麗にして、歯を支える骨をよくする必要があります。ここがとても大事です。
また、反対側の歯が割れてしまっているところにもインプラントを追加していきます。
コンピューターで理想的な歯のポジションを決めて、その直下にインプラントが来るようにシミュレーションをする
ガイドサージェリーというものを行なっています。(緑色の線が頬の知覚を司る下歯槽神経を表しています)
そうすることで、大事な神経や血管に傷をつけずに、より安全かつ構造的に理想的なポジションに
インプラントを埋入することが可能です。
1分20秒あたりでそのあたりのことを話しています。
最終的に前歯もセラミック治療を行い、審美的かつ機能的な口腔内になりました。
術前↑
術後↑
治療はひとまず終了しましたが、今後も定期的(3〜4ヶ月に1度)に噛み合わせの確認や歯周病、虫歯等のチェックを行い、可能であれば今後の人生でこれ以上、歯を失うことなく質の高い生活(QOL;クオリティオブライフ)を営むことができるようサポートさせていただきたいと思います。
歯科医師
芳金信太郎
18.07.25
歯科医師の芳金信太郎です。
先週の土日と大阪で5Dという歯科のスタディグループの勉強会に参加してきました。
今回(全5回の2回目)も歯の根っこの治療(歯内治療)の勉強会です。
日常で歯の神経のトラブルは絶えません。
自覚症状がなくても、レントゲンで歯の根の先に黒い影ができていることが多々あります。
放っておくと噛むと痛みが出たり、歯茎から膿が出てくる症状になります。
可能であればそうなる前に早期発見がとても重要だと思います。
今回のトレーニングはとても細い管を徐々に広げていき、そこに薬を詰めるというものと、歯の模型を用いて
汚れを落としながら薬を詰めるという内容でした。
この管はとても細いのでとても慎重に器具を進めていかないと器具が折れてしまったり
管の中に違う道筋(レッジ)を作ってしまい本来の管を器具が通せなくなってしまいます。
こちらが丁寧に拡大していったものです。
次に、お薬を詰めた拡大写真がこちらです。
事前に宿題があり、日々のトレーニングと毎月の学びの成果で受講生40名ほどの中の
「うまい!」と評価された3名に私が入ることができました!
次に歯牙の模型です。こちらの方がより実践的です。
この歯の根を綺麗にしていきます。
根の形態はとても複雑(側枝、イスムス、副根管など)で100%無菌化は不可能です。
少しでも汚れや感染が取れるよう実際にはいろいろな器具を用いたり、化学的な洗浄にて汚れを落とします。
そしてそこにお薬を充填していきます。
日々のトレーニングや自己研鑽はこれからも続きます。
歯科医師
芳金信太郎
インプラント治療は、従来の入れ歯やブリッジとは違い、天然歯のように美しくしっかりと噛める歯を取り戻す治療法です。
失った歯の代わりに人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を装着します。健康な歯を削ることはありません。
審美歯科治療とは、天然歯のように自然で美しい口元を作ることを目的とした治療です。しかしながら、見た目の美しさの回復は、歯や歯茎の健康はもちろん、咬み合わせなどの正常な機能を持続させることにも貢献しています。主な治療として、歯を削らないホワイトニング、セラミッククラウン・インレーによる修復治療と、表面だけを削るラミネートベニヤなどがあります。様々な目的・処置方法がございますので、審美歯科治療にかかる治療費は、治療法により大きく異なります。失った歯の代わりに人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を装着します。健康な歯を削ることはありません。